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硝子の初恋
第12章 踏み出す勇気
まゆなの家の前に着くと、高臣は自転車から降りてまゆなと向き合った。

「まゆ、立石には明日ちゃんと話をする。もう……まゆを悲しませるような事は、脅されたってしない」

真っ直ぐにまゆなを見つめる高臣の瞳。まゆなは力強く頷いた。

「うん。眞斗、私もどうしたらいいか一緒に考える」

「……それはダメ。危ないから」

「何て言われても協力する。眞斗と一緒に居たいから」

「まゆ……」

まゆなを抱きしめる高臣。

「最初から……まゆには全部話せばよかったんだよな。そうすれば、こんなに傷付けずに済んだのに……」

ギュッとまゆなを抱く腕に力が入る。

「私は全然傷付いてなんかないってば! 眞斗はもっと私の強さを信じて、自分の事を大事にしてよ」

「まゆ……ッ」

堪らず高臣がまゆなの唇を塞いだ。名残惜しそうに高臣が、唇で噛むようにまゆなの下唇を挟む。

「眞斗……時間は掛かっても、また前みたいに笑い合えるって、信じて待ってるから」

「まゆ……」

再び重なる唇。今はまだ口にできないけれど、高臣のまゆなへの込み上げる愛しさが、絡み合う舌を伝いまゆなに注がれていった。
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