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硝子の初恋
第12章 踏み出す勇気
結局、あゆみにも全てを話した2人。

「高臣くんはすごいね。まだ17なのに、全部1人で抱え込んでまでまゆを守ろうとしてたんだ」

高臣に対するあゆみの声色がとても優しくなった。

「なのにまゆはやっぱりバカだ」

まゆなに対する声は厳しい。

「バカ!?」

まゆなは大きな声で言い返す。

「うちの父親の職業忘れたの?」

「でもっ、警察沙汰にする程の事でも……」

「まぁお父さんに言うかどうかはまだ先だとしても、うちの父親は警察官なんだぞって結構な脅しになるよ?」

あゆみの言う通り、実際それで何人かは嫌がらせを止めてくれた。

でも─────、

「でも、立石さんちはすごいお金持ちで、人脈もすごいから、そんなんじゃ勝てないよ……」

俯いたまゆなの頭を、高臣が優しく撫でる。

「それなら尚更1人で解決なんて出来ないんだよ。その立石さんとかいう子が、お金や権力使って脅すんなら、まゆたちは信用出来る子達に全てを話して味方を増やしな。そうしたら、それぞれの意見も聞けるから」

あゆみの言葉に、まゆなは高臣を見上げた。

「信用出来る子かぁ……沙有里に話しても平気?」

「まゆに任せる。でも、無茶は絶対すんな」

高臣が優しく笑う。

(絶対、眞斗を救いたい。そしてもう一度恋人同士として触れ合いたいよ)

高臣の笑顔を見ながら、まゆなは強くそう思った。
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