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硝子の初恋
第12章 踏み出す勇気
それぞれお昼を持ち寄って、まゆなの友達と高臣の友達が中庭に集まった。

「あのっ! まゆの友達の高橋 佳菜美[たかはし かなみ]です」

「あ、どうも。川本 晴人[かわもと はると]です」

佳菜美はお目当ての晴人にハート目線で名乗り、晴人もつられて名乗る。

「真北 成美[まきた なるみ]です!」

「俺、東 譲[ひがし ゆずる]」

成美も同じく譲に向けて自己紹介していた。

「合コンじゃないんですけどー!」

沙有里のツッコミに、高臣とまゆなと侑吾が苦笑いをしている。

「とりあえずご飯食べよ?」

まゆなの言葉に、それぞれが昼御飯を広げる。

和気あいあいとした楽しい時間。

でも、高臣の手はなかなか進まない。

「眞斗…大丈夫?」

「ん……」

昨日の言葉通り、高臣はこの後つぐみとケリをつけるつもりだ。その表情に、少しだけ緊張が見て取れる。

「私も一緒に…」

「危ないからダメ!」

即答でまゆなの言葉を遮る高臣。

「まゆは、皆に話…しといて?」

そう言って高臣が立ち上がる。

不安気な顔で高臣を見上げるまゆな。その頭を高臣が優しく撫で、小さな声で"行ってくる"と言うとクルリと背を向けて歩き出した。
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