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硝子の初恋
第12章 踏み出す勇気
「…─────という事があって、これから先どうしたらいいのかと皆さんの意見が聞きたいです…」

沙有里の手を握り締めたまま、まゆなは時折涙で声を詰まらせながら話し終えた。

「許せない! 私が立石さんぶん殴ってやる!」

沙有里は泣きながらまゆなをキツく抱き締めた。

「んだよ、それ! 最低だな、そいつ!!」

怒り狂う侑吾が、中庭のベンチを蹴飛ばし、晴人と譲が慌てて侑吾の身体を抑えた。

それでも怒りが収まらない侑吾は、唸るような怒声を上げ続けている。

「侑吾先輩! お願いだから、冷静になって下さい。一緒に眞斗を助けて!!」

まゆなは侑吾に頭を下げた。

「まゆー、なんていい子なの!」

成美が、まゆなを抱き締めたままの沙有里ごと2人に抱きつく。

「眞斗は幸せ者だなぁ」

晴人が嬉しそうに笑った。

「金と権力のある立石さんと戦うのは厳しいね。決定的な証拠を集めなきゃ!」

佳菜美が提案する。

「あ、プールサイドって防犯カメラあったよね? カミソリ仕込んだ所とか映ってないかな?」

沙有里の言葉に、全員の顔が輝いた。
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