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硝子の初恋
第12章 踏み出す勇気
"もうまゆを悲しませるような事はもうしない"

屋上では、昨日の言葉を実行するために、つぐみと対峙している高臣の姿があった。

「もう付き合い切れねぇ」

いつものように高臣に抱きつこうとしたつぐみを、高臣が制した。

「は? じゃあまゆちゃんがどうなってもいいの?」

つぐみは高臣を睨みつける。

「いいわけねぇだろ! でもお前の相手すんのはもう限界なんだよ!」

案の定まゆなの名前を出され、高臣は声を荒げた。

「あっそ。じゃあ電話する。まゆちゃん殺してもらう」

「ふざけんな! そういう言葉を簡単に言うな!」

携帯を取り出したつぐみの手を、高臣が押さえつけた。

「じゃあ抱いて! 私を好きじゃなくていいから! 」

つぐみの手を押さえつけていた高臣の手を、つぐみは逆にキツく握り返す。

「お前さ…そんなのお前だって虚しいだろ」

「……じゃあ私を好きになって」

「無理」

「じゃあ好きとかいらない! 抱いて! 高臣先輩と繋がっていたいの!」

頑なつぐみに、高臣はため息を漏らした。

「……何で俺なの? お前の心の隙間を埋めんの、俺じゃなきゃいけないのは何で?」

「…きだから! 高臣先輩が好きだからッ!」

つぐみは高臣に抱き付いた。

「……本気で好きならこんな事しねぇだろ」

高臣がつぐみの身体を引き剥がす。
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