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硝子の初恋
第12章 踏み出す勇気
「好きだよ! 優しく笑う顔も、包容力のある身体も……ありのままで人気があって、ありのままなのに人が寄って来て……一緒にいたら、私もありのままでいられるかもしれないと思ったの!」
常にいい子を演じなければいけないつぐみは、"ありのまま"の自分を認めて愛してもらいたいと常に思っていた。
「私を、こんな嘘ばかりの世界から連れ出してくれる強さがある…理想通りの人がそこにいるのに……何で私を選んでくれないの?」
何度抱き付いても引き剥がされ、つぐみはついにズルズルと泣き崩れた。
「お前のやり方が間違ってるからだろ。それに、俺はそんなすごい人間じゃないし、もうまゆ以外の女は考えられないから」
つぐみに背を向け、立ち去ろうとする高臣。
「どうなっても知らないから! 神崎さんをズタズタにしてやるから!」
そういえば高臣は振り返る。そしてつぐみの言う事を聞いてくれる。
そんな虚しい関係でもいい。繋がっていたい……。
つぐみは振り返った高臣に安心し、笑顔を向けた。
「……お前かわいそうな奴だな。ありのままの自分を認めて欲しいなら、ありのままの自分を出せばいいだろ? それとも、こんな事するのがありのままのお前なの?」
「……っ!!!」
つぐみの笑顔が凍りつく。
脅してでも続けていくつもりだった高臣との関係。でももうその脅しが効かない。
高臣の立ち去った屋上で、つぐみは声を上げて泣いた。
そして、生まれて初めて、授業をサボった。
常にいい子を演じなければいけないつぐみは、"ありのまま"の自分を認めて愛してもらいたいと常に思っていた。
「私を、こんな嘘ばかりの世界から連れ出してくれる強さがある…理想通りの人がそこにいるのに……何で私を選んでくれないの?」
何度抱き付いても引き剥がされ、つぐみはついにズルズルと泣き崩れた。
「お前のやり方が間違ってるからだろ。それに、俺はそんなすごい人間じゃないし、もうまゆ以外の女は考えられないから」
つぐみに背を向け、立ち去ろうとする高臣。
「どうなっても知らないから! 神崎さんをズタズタにしてやるから!」
そういえば高臣は振り返る。そしてつぐみの言う事を聞いてくれる。
そんな虚しい関係でもいい。繋がっていたい……。
つぐみは振り返った高臣に安心し、笑顔を向けた。
「……お前かわいそうな奴だな。ありのままの自分を認めて欲しいなら、ありのままの自分を出せばいいだろ? それとも、こんな事するのがありのままのお前なの?」
「……っ!!!」
つぐみの笑顔が凍りつく。
脅してでも続けていくつもりだった高臣との関係。でももうその脅しが効かない。
高臣の立ち去った屋上で、つぐみは声を上げて泣いた。
そして、生まれて初めて、授業をサボった。