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硝子の初恋
第12章 踏み出す勇気
でも、一度くらい、母親に反抗してみたい。
見つからないような小さな反抗でいい。

せめて、自分の"初めて"を捧げる相手くらい自分で選びたい。

そう思って高臣に"初めて"を捧げた。
一度だけ……それで諦めるからと……

でも、その味を知ったら戻れなくなった。

身体の芯が何度も溶かされた。

快楽が身体を駆け巡る度に、どんどん貪欲になる。

自分の全てを高臣で満たしたくなった。

なのに─────…

「最初に言ったよな? 俺、付き合ってる女いるって」

"神崎まゆな"

何の取り柄もないあんな女、高臣先輩には釣り合わない。

頭も良くて、顔も良くて、運動神経も良くて、水泳は大会上位に入賞する程……その完璧さも好きだった。

いろんな女の子とエッチな関係を持っていて、ひどい話とか聞くのに、それでも皆に好かれてて……
ありのままの自分を曝け出しているのに、人気があって、人が寄って来て……

(いつも自分に嘘ついてまでいい子を演じてる私とは正反対)

一緒にいたらありのままでいられるかもしれない。

ありのままの自分を好きになってくれるかもしれない。

こんな嘘ばかりの世界から連れ出してくれるかもしれない……
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