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硝子の初恋
第12章 踏み出す勇気
部活を終え、自転車置き場へ歩く高臣とまゆな。

(手…繋ぎたいな……)

そう思い、つい目で追ってしまう高臣の大きな手。

(ダメダメ! 眞斗が立石さんとの事にケリをつけるまでは待つんだから!)

まゆなは、邪念を払うように頭をブンブンと振った。

「そういえば、今日昼休みに教室戻ったら侑吾に抱き締められた。あいつ単純だな」

高臣が笑う。

「ゆ、侑吾先輩も心配してくれたんですよ」

高臣の笑顔にドキドキしながら、まゆなは自転車の鍵を外した。

高臣と大学を出ると、路肩に車が停まっている。

何故かひどく気になって、運転席を見る。

「あの人!!」

ノロノロと2人の自転車の後ろから着いてくる車。運転席には、コンビニで待ち伏せをしていたあのサラリーマンが乗っていた。
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