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硝子の初恋
第12章 踏み出す勇気
高臣の案内で、路地裏を走り抜けかなりの遠回りして、まゆなの家に帰る。

「まゆのお父さん、もう家に居る?」

家の駐車場に父親の車はない。
まゆなは首を横に振った。

「じゃあ、お母さんから伝えてもらおう。何かされる前に警察に相談した方がいい」

高臣はまゆなの手を引き、まゆなの家のインターホンを鳴らした。

「はーい。あら? 高臣くん、久しぶりね。どうかしたの?」

まゆなの母親が戸惑いながらも、2人をリビングに通す。

「お父さんに相談したい事があります。伝えてもらえますか?」

高臣の言葉に、まゆなの母親の顔が青ざめる。

「何? まさか…出来ちゃった?」

「……?」

高臣とまゆなは首を傾げて顔を見合わせる。

「あ! 大丈夫です! ちゃんと避妊してます!」

一瞬の間の後、高臣が慌ててそう言うと、まゆながようやく母親の言葉に納得がいく。

「……やっぱりもうそういう事してるのね……」

複雑な母親の表情に、高臣は気まずそうに黙り込む。

「お母さん! あのっ、それよりも…」

「無責任な事はしませんから!」

まゆなの言葉を遮り、高臣が母親を真っ直ぐに見据えて言った。

「まゆの人生背負えるくらいの大人になれるまで、無責任な事はしません」
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