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硝子の初恋
第13章 男としてのケジメ
「そういえば、今日のお昼に防犯カメラの事、顧問の先生に沙有里と侑吾先輩が頼んでくれたんだって!」

「……そっか」

嬉しそうに話すまゆなとは裏腹に、高臣は目を伏せる。

(防犯カメラを見せてもらうのは難しいだろうな)

以前、同じように顧問に頼み、更には校長にも掛け合っていた高臣。理由を話さなかった事もあるだろうが、全く相手にしてもらえなかった事を思い出していた。

「……またいる…」

まゆなの言葉に高臣は我に返る。

相変わらず、あのサラリーマンは大学近くの路肩に車を停めてまゆなが出て来るのを待っている。
そして、ノロノロとまゆなと高臣の自転車の後ろを着いて来るのだ。

「しつこいな……」

チラチラと後ろを振り返りながら、車が入れないような細い道に入りどうにか躱す。

毎日の事で、高臣もまゆなもかなり抜け道に詳しくなったくらいだ。
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