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硝子の初恋
第13章 男としてのケジメ
だが、ついにまゆなの家の前にサラリーマンの車が停まっていた。

「嘘……」

ようやくまゆなの家が見えた時、家の前に停まるサラリーマンの車が見えた。
まゆなは絶望的な気持ちになり、自転車を止める。

「俺が話して来る……」

まゆなを振り返った高臣が、再び前を向いてサラリーマンの車を睨む。

その時、
「まゆな、おかえり」
まゆなの後ろから、制服に身を包んだ警察官が現れた。

「お父さん?!」

「え? まゆのお父さん?!」

いきなり現れた恋人の父親に、高臣もさすがに驚き慌てた。

「君がまゆなの彼か……」

「あ、初めまして、高臣眞斗です」

高臣を見るまゆなの父親の目は、形こそまゆなの目とそっくりだが、瞳の奥に鋭い光を宿していて、高臣は緊張する。

「あゆみに聞いたよ。君が1人でまゆなを守ろうとしてくれた話を」

ふっとまゆなの父親の瞳が優しくなった。

「え!? お姉ちゃんのおしゃべり!!」

膨れるまゆなの頭を優しい笑顔でポンポンと叩くと、まゆなの父親は高臣の方へ向き直った。

「今回の事は本当に大変だったね。だけど、まゆなの事は1人で守らなくてもいい。まゆなには友達も家族もいるんだからね」

「……はい」

「でも君の気持ちは嬉しかった。ありがとう」

まゆなの父親が高臣に向かって頭を下げ、高臣は慌てて自分も頭を下げていた。
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