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硝子の初恋
第13章 男としてのケジメ
「立石さんの事は、まだ親が出て行くタイミングではないかな?」

まゆなの父親の言葉に、高臣とまゆなは顔を見合わせてから頷いた。

「高臣くんにもまゆなにも何かあってからでは遅いんだからね。助けが必要だと思ったらすぐに言いなさい」

つぐみに深く心を傷つけられても、事を荒立てず、まだ自分達なりに解決方法を探す高臣とまゆな。
まゆなの父親は、2人のそんな様子に好感を覚えつつも、手遅れにならないか心配にもなった。

高臣とまゆなは、まゆなの父親の言葉に嬉しそうに笑い、顔を見合わせて頷き合った。

「あっちの彼の事はお父さんに任せなさい」

まゆなの父親は、車の中からこちらを見ているサラリーマンをチラリと見やる。

「よろしくお願いします」

自分の事のように頭を下げる高臣に、まゆなの父親は嬉しそうに目を細める。

「こういう仕事をしているからね、そこそこの経験はある。まして娘の為だ。キッチリ話をつけてくるよ」

まゆなの頭を愛おしそうに撫で、まゆなから目線を外す事なくこちらを見ているサラリーマンの方に向かった。
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