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硝子の初恋
第13章 男としてのケジメ
「あの、高臣先輩は……?」

つぐみは今日も、高臣を呼びに教室へ来ていた。だが、いくら探しても高臣は教室にはいない。
その為、思い切ってドアの近くのクラスメイトに声を掛けていた。

「あー、侑吾たちとどっか行ったよ? 購買かなぁ?」

つぐみを見ては"かわいい"を連発しながら、ドア付近の男子集団が答えた。

「そうですか…ありがとうございました」

つぐみは満面の笑みでお礼を言うと、くるりと背を向けた途端に小さく舌打ちした。

(許さない…私には時間がないんだから……絶対に逃がさないっ!)



いつかのように、まゆなとその友達の佳菜美、成美、そして高臣とその友達の晴人、譲の6人で中庭にお弁当を広げていた。

「お父さんね、あの人に私が自分の娘で、待ち伏せされるのを怖がっているって話をしたみたい」

まゆなは隣に座る高臣に小さめの声で話し掛ける。

今ではすっかり調子の戻った高臣。あっと言う間に空になったお弁当箱もそのままに、購買で買ったパンを食べ始めている。
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