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硝子の初恋
第13章 男としてのケジメ
「あのサラリーマン、何て言ってたって?」

口の中の食べ物を牛乳で流し込み、高臣がまゆなに聞く。

「うん。なんか出会い系のサイトに、私の写真と名前と昔の携帯番号とアドレスが載ってて、そこに"ウサギみたいにさみしがり屋の私を助けて"ってメッセージが付いてたんだって」

まゆなの言葉に、高臣はぶっと吹き出す。

「ウサギ?!」

「そこ笑う所じゃないよ?」

父親から聞いた時は自分も笑ってしまったけれど、案の定吹き出した高臣をひと睨みするまゆな。

「……ごめん」

小さく謝り肩をすくめる高臣の手の中のパンを一口かじり、"これで許す"と笑った後にまゆなは続ける。

「それで、私にウサギのイメージ重ねて膨らめて暴走したと。でもイメージがウサギだったから、怖がらせないようにまずは見守っていたみたい。もう付け回さないって約束してくれたって」

さすがに警察官の娘だとは知らなかったあのサラリーマンは、相当驚きビビっていたようだ。

元からまゆなに危害を加えようと思っていた訳でもないようで、どうやらこのままおとなしく引き下がってくれそうだ。
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