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硝子の初恋
第13章 男としてのケジメ
「そういえば、立石さんて婚約したよね? その人には高臣先輩との事は知られたらマズイよね?」

沙有里の言葉に全員の顔が上がる。

「本人は親への反抗心からかもだけど、バレたら親のメンツも婚約者のメンツも潰れるよな」

侑吾が言う。

「でも、立石さんと高臣先輩との事って証拠になるものはないでしょ?」

佳菜美の言葉に高臣が頷く。

「証拠があったとしても、そういう証拠じゃあ、女の立石よりも男の眞斗の方が危ないかもな」

晴人の言葉に首を傾げるまゆな。

「確かに……無理矢理されたとか言われたら高臣先輩が不利ですね。それに、校内エッチの証拠なんて、処罰の対象になりそう」

沙有里の言葉にまゆなも納得した。

「でも、多額の寄付をしてくれるお嬢様の立石さんと、No1王子様&水泳部ホープの高臣先輩なら、処罰というより揉み消しだろうね」

佳菜美の言葉に

「大人って汚ねぇな」

侑吾がため息を吐いた。

「あ、でも水泳部のコーチが"近々その婚約者が立石さんの家で一緒に住み始めるらしい"って言ってたよ」

婚約者と一緒に住むようになれば立石は変わるのではないかと、まゆなは少し期待していた。

「コーチは、立石の内心は焦りに反抗に諦めにドロドロだろうとも言ってただろ」

まゆなの淡い期待を見透かし、それを打ち破る高臣の言葉。

「……今接触するのは危険かもね」

佳菜美の言葉に全員が頷く。

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