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硝子の初恋
第13章 男としてのケジメ
翌日に記録会を控えた金曜日の昼休み、まゆなはつぐみに屋上へと呼び出されていた。

「最近また眞斗と仲がいいみたいね。よりでも戻したのかしら?」

ベンチに座りながら、つぐみは鋭い瞳でまゆなを見上げた。

「立石さんが眞斗を脅して別れさせたんじゃない。目の前で見てたでしょ?」

まゆなはつぐみの目を真っ直ぐに見据えていた。

「は? 眞斗の彼女である私の前で、随分と図々しいのね」

「眞斗は立石さんの事、好きじゃない。それでも立石さんは眞斗が好きなの?」

つぐみはまゆなを睨み、チッと舌打ちをした。

「立石さんは眞斗のどこが好き?」

いつもよりも強気なまゆなに、つぐみは苛立ち声を荒げた。

「はぁ? 何であんたにそんな事!」

「眞斗は幼稚園の頃から水泳を続けてきたの。水泳が大好きなの!」

「だから何?」

「明日の記録会は、眞斗のこれからにも関わってくるの。好きな人の大切なものを壊したくないでしょ? お願いだから、集中させてあげて!」

つぐみの頭に昨日の渡辺の言葉が蘇る。

"高臣先輩は、神崎の為に水泳辞めろって言われたら辞められる。神崎の為なら自分犠牲に出来るくらい神崎の事想ってんだよ! 自分可愛さに他人犠牲にする立石じゃ無理なんだ! 気付けよ!"
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