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硝子の初恋
第13章 男としてのケジメ
ガタガタガタガタ!!!
屋上の手すり脇の木箱が音を立てて揺れる。
「あ─────…」
まだ呼吸の整わないまゆなが、高臣に何かを訴えるように木箱を指差す。
高臣が上の重石を退けると、木箱の中から沙有里と侑吾が出てきた。
「侑吾!? 沙有里!? 何で?!」
2人の登場に驚く高臣の後ろから、ようやく声を出せるようになったまゆなが言った。
「私が頼んだの」
まゆなは、沙有里と侑吾に一部始終をムービーに撮影して欲しいと頼んでいた。
"絶対出てこないで! 最後まで撮って!"と頼まれ、更に木箱の上に重石を乗せられ、まゆなのピンチを、木箱に開けられた小さな穴から見ている事しか出来なかった沙有里は泣きながらまゆなに抱きついた。
「まゆがッ、まゆがホントにッ、しっ、しんっ、死んじゃうかもってッ!!」
「沙有里……ごめんね。ありがとう」
泣きながら抱き締め合うまゆなと沙有里。
「眞斗のタイミングがもう少し遅かったらと思うとゾッとするよな」
侑吾は、沙有里とまゆなの頭を優しく撫でた。
「よくわかったね?」
まゆなの頭を撫でる侑吾の手を掴んで侑吾を睨む高臣に、まゆなが問う。
「侑吾からメール来た」
「ムービー撮る前にメールした」
睨み合いながら、高臣と侑吾が答えた。
「ムービー?」
高臣に突き飛ばされ倒れこんでいたつぐみが、身体を起こしながら不安気な瞳を侑吾に向けていた。
「バッチリ撮れたぜ? 見たい?」
そう言いながら侑吾が携帯のムービーを再生する。
恐ろしい言葉を口にしながら、鬼のような形相でまゆなの首を締めるつぐみの姿が映し出される。
屋上の手すり脇の木箱が音を立てて揺れる。
「あ─────…」
まだ呼吸の整わないまゆなが、高臣に何かを訴えるように木箱を指差す。
高臣が上の重石を退けると、木箱の中から沙有里と侑吾が出てきた。
「侑吾!? 沙有里!? 何で?!」
2人の登場に驚く高臣の後ろから、ようやく声を出せるようになったまゆなが言った。
「私が頼んだの」
まゆなは、沙有里と侑吾に一部始終をムービーに撮影して欲しいと頼んでいた。
"絶対出てこないで! 最後まで撮って!"と頼まれ、更に木箱の上に重石を乗せられ、まゆなのピンチを、木箱に開けられた小さな穴から見ている事しか出来なかった沙有里は泣きながらまゆなに抱きついた。
「まゆがッ、まゆがホントにッ、しっ、しんっ、死んじゃうかもってッ!!」
「沙有里……ごめんね。ありがとう」
泣きながら抱き締め合うまゆなと沙有里。
「眞斗のタイミングがもう少し遅かったらと思うとゾッとするよな」
侑吾は、沙有里とまゆなの頭を優しく撫でた。
「よくわかったね?」
まゆなの頭を撫でる侑吾の手を掴んで侑吾を睨む高臣に、まゆなが問う。
「侑吾からメール来た」
「ムービー撮る前にメールした」
睨み合いながら、高臣と侑吾が答えた。
「ムービー?」
高臣に突き飛ばされ倒れこんでいたつぐみが、身体を起こしながら不安気な瞳を侑吾に向けていた。
「バッチリ撮れたぜ? 見たい?」
そう言いながら侑吾が携帯のムービーを再生する。
恐ろしい言葉を口にしながら、鬼のような形相でまゆなの首を締めるつぐみの姿が映し出される。