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硝子の初恋
第13章 男としてのケジメ
「水泳部の顧問から聞いた。お前の父親、この学校の卒業生なんだってな」

「だから多額の寄付を?」

高臣の言葉に、沙有里がなるほどっと頷く。

「在学中の三年間王子様に選ばれて、No1にも選ばれたんだろ」

(確か眞斗の両親も王子様お姫様に選ばれたって言ってたな……DNAってすごい)

まゆなは、高臣とつぐみの顔を交互に比べて小さくため息を吐いた。

「成績優秀で、しかも水泳部ですげー成績残してたって。完全に、俺に父親重ねて見てたんじゃん?」

つぐみはかぁーっと顔を真っ赤に染めた。

「……お父様は、お忙しくて…もう何年も顔を合わせておりませんから……」

「手紙でもメールでも何でもいいだろ。婚約と転校に関するお前のありのままの気持ち、ちゃんと伝えろよ」

高臣の言葉に、つぐみは涙をポロポロと零しながらコクコクと何度も頷いた。
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