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硝子の初恋
第2章 変わってしまった関係
ドキドキと心臓がうるさい。

遅刻とサボりの常習犯の高臣の事だ。多分今日は来てないはず。

だけど、もし居たらどんな顔して会えばいいのか……。

まゆなは、しばらくドアの前に立ち尽くしていた。


「まゆー、昨日はモテモテだったね!」

ポニーテールに童顔な同級生。親友であり、同じ水泳部のマネージャーである岡元沙有里[おかもと さゆり]が、まゆなに気付き駆け寄ってきた。

「え?」

まだ頭がボーとしているまゆなは、首を傾げる。

「もう! 渡辺くんと小長井先輩からの告白だよ!」

「あ……」

途端に顔を赤らめるまゆな。

「渡辺くん、まゆなの事探してたよ? あ! そういえば、体育倉庫に閉じ込められてたんだったね?! 大丈夫だった?!」

「うん……誰が助けてくれたか知ってる?」

「高臣先輩でしょ?」

「え?!」

高臣と一緒に閉じ込められていた筈なのに……と、まゆなは怪訝な顔をする。

「高臣先輩、サボろうと思って体育倉庫に行ったら鍵が掛かってて、職員室に抗議に行ったらしいよ。で、体育の進藤先生と一緒に体育倉庫に行って、中で倒れてるまゆなを見つけたらしい」

情報通の沙有里の言葉だから、きっとそういう話が噂となって知れ渡っているのだろう。

でも……、

(高臣先輩はどうやって体育倉庫から出たの?)

眉間にシワを寄せるまゆなの顔を、沙有里が覗き込んだ。

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