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硝子の初恋
第14章 ご褒美はスイートルームの甘い夜
(……?)

微かに聞こえる水の音に、まゆなはゆっくりと目を開いた。
バスローブを羽織り、音のするプールサイドへ向かう。

「眞斗……?」

温水プールの中を、悠々と泳ぐ高臣。

(キレイ……)

初めて見た時から、引き込まれたその泳ぎ。

水泳に詳しい訳ではないまゆなには、それをどう表現したらいいのかわからない。

だが、泳いでいる高臣に惹きつけられ、目が離せなくなる。

「起きてたんだ」

プールから上がった高臣が、ゆっくりとまゆなへと歩み寄る。

「うん」

記録会で使った水着姿の高臣。

(───…水も滴るいい男)

水泳で鍛え上げられた逆三角形のその身体に、まゆなの心臓は煩いくらいにドキドキと大きな音を立てた。

「ほっ、ホントに水泳が好きなんだね」

ドキドキを誤魔化すように、少し早口に捲し立てるまゆな。

「うーん、他に取り柄がないからな」

高臣がサラリとそう言うと、まゆなは頬を膨らませる。

「眞斗がそれ言う!? 顔良し、スタイル良し、頭も良くて、運動も得意で……」

チュッ
突然降ってきたキスに、まゆなの口が止まる。

「褒め過ぎ……」

そう言いながらも高臣は嬉しそうに笑うと、チュッと音を立ててまゆなの唇を唇で挟むようにキスをした。
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