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硝子の初恋
第15章 それぞれの想い
「あのねっ、実は私も中学の頃から眞斗に片想いしてて……」

「え?」

まゆなの言葉に、高臣とつぐみが同時に声を上げた。

「それ、初耳……」

驚いた顔の高臣に食い入るように見つめられ、まゆなは真っ赤になって俯いた。

「中学1年の夏に見た水泳の大会で、眞斗の泳ぐ姿にものすごい惹き付けられて……それからずっと片想い」

水泳の大会がある度に足を運んだ。
その度に高臣に群がる女の数が増えていく様を、遠くからただ見ているしか出来なかった。

「どうしても眞斗に近付きたくて、同じ高校に入って水泳部のマネージャーになったの。……なんか私、ストーカーみたいだね」

自嘲気味に笑いながら、半泣き顔を見られたくなくて俯くまゆな。

「部活の先輩後輩だけどやっと話せる間柄になったのに、眞斗に話しかけられても憎まれ口で返しちゃって……」

「ははっ、確かに俺、まゆに嫌われてると思ってた」

高臣の笑顔に顔を赤くして俯くまゆな。同じようにつぐみも顔を赤らめて俯いた。

「色んな女の子と……遊んでる姿もいっぱい見てきたから……辛い、もうやめたい、いっそ嫌いになりたいって何度も泣いた……」

「まゆ……」

苦し気に顔を歪めた高臣が、まゆなを抱き寄せた。
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