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硝子の初恋
第15章 それぞれの想い
「ビデオで勉強すれば?」

近くにいた一輝が声を掛ける。

「一輝んちなら種類も豊富じゃん?」

高臣の言葉に??な沙有里。

「一輝のお父さん、ラブホの社長さんなの」

まゆながコソッと小声で沙有里に告げる。

「マジ!?」

思わず大声を出した沙有里の口を塞ぎ、高臣が言う。

「侑吾と何時に待ち合わせ? 連れてってやるよ」

「高臣先輩っ、先輩のこの胸板と顔だけが大好きですっ!!」

ぱぁーっと顔を輝かせ、高臣に抱きつく沙有里。久しぶりの高臣の胸板を満喫するようにスリスリと顔を摺り寄せている。

「胸板と顔限定かよ」

苦笑いの高臣。

「ちょっ、ちょっと、沙有里っ!!??」

高臣にしがみつく沙有里を必死に引き剥がそうとするまゆな。

バスの中が笑いに包まれていた。

パンパン!!
顧問が手を叩く。

「選手権大会お疲れ!」

「お疲れ様でしたぁ!」

「とりあえず明日の日曜は身体をしっかり休めろよ。特に高臣と神崎…それから岡元も」

顧問の耳にもしっかり聞こえたらしく、3人は釘を刺される。

「ちゃんと腕枕して寝かせます」

高臣の言葉に、冷やかしの野次が飛び交った。

「ったく……。月曜からは陸練になるからな。間違えて大学行くなよ」

「はーい」
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