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硝子の初恋
第15章 それぞれの想い
制服でラブホはマズイので、それぞれ一旦帰宅をし、私服に着替えて駅前公園で待ち合わせる。

人混みで高臣を探すのは簡単だ。
だいたいいつも、女の子の人垣の中で数人の女の子に声を掛けられている。

(ほら、やっぱり……)

ここで声を掛けるのは勇気がいる。まゆなは立ち止まり躊躇していると、

「まゆ!」

女の子の中から抜け出してきた高臣に、後ろからふわりと抱き締められた。

「えぇ!? まさかその子が彼女!?」

高臣を囲んでいた女の子たちが、聞こえるような声で言う。

「胸のデカさしか取柄なさそう」

「地味子ー! バレンタインなんだから気合い入れろよな」

思わず俯いたまゆなの耳を、高臣が両手で塞いだ。

「貧乳がひがむな。気合い? 笑わせんな。香水つけ過ぎて臭ぇし、化粧し過ぎて化け物みてぇ」

目を見開いて固まる女の子たち。
その表情から悟ったまゆなは、耳を塞ぐ高臣の両手を掴む。

「しっ、失礼しましたぁ」

まゆなは高臣の手を引き、勢いよく走り出した。

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