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硝子の初恋
第15章 それぞれの想い
先程の女の子たちがギャーギャーと騒ぎだす声を、高臣とまゆなは物陰に隠れて聞いていた。

今すぐにでも立ち去りたい気分だが、待ち合わせ場所から離れる訳にいかず、2人は物陰に隠れて沙有里たちの到着を待っていた。

「何言ったの? 物凄い怒ってるよ?」

女の子たちの様子を盗み見たまゆなは、慌てて顔を引っ込め高臣を振り返る。

「思った事をそのまま言っただけ」

そう言って、壁に背中を預け携帯を弄り始める高臣。

「また"ウザい"とか言ったんでしょ?」

「実際ウザいだろ」

「もうっ! 好意を持ってくれた子を邪険にしないのっ」

面倒臭そうに顔を上げた高臣。
ぐいっとまゆなの腕を引き、その身体を抱き寄せた。

「外見だけ見て寄ってくる女なんてどうでもいい。自分勝手な理想に俺を当てはめて、理想と違えば被害者面して去ってくような女なんて……興味ない」

はぁーっと深いため息を吐く高臣。

(モテるって羨ましいけど、実は大変な想いをしてきたのかな……)

まゆなは高臣の背中に手を回し、その身体をぎゅーっと抱き締めた。
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