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硝子の初恋
第3章 後悔先に立たず
「……遅ぇ」

高臣はつぐみの中からスルリと抜け出すと、呆然と立ち尽くすまゆなから、パンを奪い取り食べ始めた。

「せっ、先輩? 何でやめちゃうの?」

つぐみは両足をモジモジと小擦り合わせながら、高臣に近寄る。

「何か、お前のそこ、違う」

「え?」

つぐみの足が止まる。

「まゆの方が気持ちいい」

固まったままのまゆなを抱き寄せる高臣。

「さっ、最低!!」

我に返ったまゆなは、高臣を引き剥がそうとするが、ビクともしない。

「望み通り開通してやったし、何度もイってたじゃん? もう満足だろ?」

「まだまだ足りない! 高臣先輩がもっと欲しい」

「立石さん! もうやめなよ! こいつ最低だから!」

高臣の腕から逃れようともがきながら、まゆなはつぐみにそう言う。

「まゆ、先輩に向かって"こいつ"はないだろ」

そう言いながらも楽しそうに笑う高臣は、更に腕に力を込めまゆなを引き寄せた。


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