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硝子の初恋
第3章 後悔先に立たず
「ねぇよ!!」

ドキン!!!

怒りを含んだその声に、まゆなの心臓が飛び上がった。

「高臣先輩?」

後ろから聞こえた声に、驚いて振り返った渡辺が、声を上げた。

「何で一年棟に? てか、ないって何が?」

「お前のチャンスだよ!」

引き寄せたまゆなの身体をガシッと抱き締め、高臣は渡辺を睨む。

「……どういう事ですか?」

まゆなを抱き締める高臣を、渡辺はキツく睨みつける。

「キスマーク、付けたの俺だから! 俺たち付き合ってんだよ!」

いつの間にか出来ていた人集り。高臣の言葉に、人集りから悲鳴が上がる。

「ちょ、先輩?! 付き合ってるなんて……」

言いかけたまゆなに、高臣はポケットから取り出した携帯を見せ付ける。

(こんな大勢いる前で、あの時のムービーを流されたら、もう学校来れない!)

まゆなは黙り込み俯いた。

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