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硝子の初恋
第4章 別れたくない!
最初は聞こえるように悪口を言われるだけだった。

だが、1ヶ月経っても、高臣とまゆなは別れない。

今までは簡単に抱いてくれた高臣が、まゆな以外を一切相手にしてくれなくなり、断る理由も「付き合ってる女がいる」

ミーハー気分で言い寄る女たちは、それだけでおとなしくなっていった。

だが、本気なのか狂気なのか……それでもまだ高臣を狙う女たちからの、まゆなに対するイジメはどんどん陰湿になってきていた。


「まゆ、このまま黙って耐えてるだけでいいの?」

イジメの全てを知っている沙有里。カミソリを外したタオルでまゆなの切れた指を包みながら、心配そうにまゆなを見つめる。

「今はそれどころじゃないでしょ? 冬季大会が終わるまでは我慢する」

半泣き顔を、無理矢理笑顔に変えて、必死に強がるまゆな。

「……高臣先輩は知ってるの?」

まゆなはゆっくりと首を振った。

何だかんだ言っても、高臣は優しい。

だから、自分を好いてくれてる子がこんな事をしたと知ったら、傷付くかもしれない。

でも……

本当は、高臣に相談して「めんどくせぇ」って言われるのが怖かった。

「めんどくせぇから別れる」なんて言われかねない。

(別れるなんて……そんなの絶対嫌だ)

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