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硝子の初恋
第4章 別れたくない!
保健室で、血まみれのタオルを外す。
「結構深く切ったね。どうしたの?」
養護教諭の坂上 美和子[さかがみ みわこ]が、まだ血の止まらないまゆなの傷口を見て、優しく尋ねる。
「あ……カッター使ってたら、失敗してザクっと……」
言いながら俯くまゆな。
その後ろには、何か言いたげな沙有里が立っている。
「……人気者と付き合うと、いろいろ大変よね」
「え?!」
顔を上げるまゆな。
「何かあったら……ううん、こういう怪我をする前に、大人を頼りなさいね」
坂上は優しく微笑み、まゆなの頭を撫でた。
「あんまり、大袈裟にしないで……」
包帯を巻く坂上の手を、まゆなが掴む。
「傷口、結構深いのよ?」
付けたばかりのガーゼには、真っ赤な血が滲んでいる。
「昼休みにもう一度来て? 血が止まってなかったら、病院行こう」
「先生、あの─────…ッ」
病院と聞いて、沙有里が口を開きかける。
でも、半泣き顔のまゆなに見つめられ、何も言えずに俯いた。
「結構深く切ったね。どうしたの?」
養護教諭の坂上 美和子[さかがみ みわこ]が、まだ血の止まらないまゆなの傷口を見て、優しく尋ねる。
「あ……カッター使ってたら、失敗してザクっと……」
言いながら俯くまゆな。
その後ろには、何か言いたげな沙有里が立っている。
「……人気者と付き合うと、いろいろ大変よね」
「え?!」
顔を上げるまゆな。
「何かあったら……ううん、こういう怪我をする前に、大人を頼りなさいね」
坂上は優しく微笑み、まゆなの頭を撫でた。
「あんまり、大袈裟にしないで……」
包帯を巻く坂上の手を、まゆなが掴む。
「傷口、結構深いのよ?」
付けたばかりのガーゼには、真っ赤な血が滲んでいる。
「昼休みにもう一度来て? 血が止まってなかったら、病院行こう」
「先生、あの─────…ッ」
病院と聞いて、沙有里が口を開きかける。
でも、半泣き顔のまゆなに見つめられ、何も言えずに俯いた。