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硝子の初恋
第4章 別れたくない!
「まゆ?」

保健室を出て、教室に戻る途中、高臣に呼び止められる。

「たっ、高臣先輩! 体育ですか?」

ジャージ姿の高臣。まゆなは、怪我をした手を慌てて後ろに隠す。

「……どうした?」

隠されたまゆなの手を取る高臣。包帯を巻かれた痛々しい手に、そっと触れる。

「あ……カッターで切っちゃって……」

「利き手……だよな。しばらく不便だな」

「あはは……」

心配そうな高臣と目も合わせられずに、困ったように笑うまゆな。

「……侑吾、俺、一時限目休む」

高臣は、一緒にいた"侑吾"と呼ばれた男子生徒にそう言い、今度は沙有里の方を振り返る。

「まゆも一時限目休むから」

「え?」

驚いて聞き返すまゆなの手を引き、高臣が歩き出す。

Vサインをする沙有里と「俺もサボりたい」とボヤく侑吾の横をすり抜け、高臣は体育倉庫へと向かった。

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