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蜜月非行【2】 〜ガサ入れ・ナースの秘密〜
第1章  プロローグ
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  17:17
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 史華は業務を終え、駅へと向かっていた。

 桜並木の道を、軽快に歩く史華。
 そんな史華が何かに気付き、立ち止まる。
 その視線の先には、桜の木の枝。
「芽吹き始めてる、もうじきね…」
 桜の蕾がほころんでいるのが見える。
 それを見て、史華の顔もほころぶ。

 院内ではあまり見せることのない、とても優しい笑顔。
 それは、芽吹き始めた蕾を見たからだけではない。
 明日が休みであること。
 そして今日、彼氏と会えるからである。
 秋奈の勘ぐり通り、史華に恋人が出来ていた。

 ~・~・~・~・~・~
 付き合ったのは、3ヶ月前。
 初めてのデートの時に交際を申し込まれ、史華は了承。
 2回目のデートの時に、2人は結ばれた。
 …
 実に7年ぶりの恋人であり、人生2人目の男性でもある。
 だが、夜勤や休日出勤の多いこの仕事。
 彼も仕事が忙しく、会えるのは月に3,4度のみ。
 今日会うのは、実に2週間ぶりである。
 そして彼は今日、史華の家にお泊り。
 腕によりをかけ、料理を振る舞う計画。
 当然、食事の後のことも、準備は万端である。
 ~・~・~・~・~・~

 桜前線が近づいているを感じ、史華は歩を進めた。

 ウキウキで家路を急ぐ史華。
 今夜のことを考えると、目尻が下がる。
 史華の心は、この桜並木より一足先に、咲き誇ろんでいた。
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