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S級有害図書
第6章 「橋下芽生の場合」
 妻が死んだ。去年、結婚したばかりの妻が自動車事故に巻き込まれ、妻の連れ子である十五の娘・芽生を庇ってこの世を去った。車椅子の生活を強いられるようになった娘を守り育てることが、愛する妻に誓った俺の使命になった。
 長い間、入院生活を送っていた芽生が、退院して自宅に戻ってきた。病院でかなり練習してきたのだろう。彼女は器用に車椅子を操作して、家の中の家事をこなしていく。
「退院してきたばかりなんだ。あまり無理するなよ」
「でも早く車椅子に慣れないと。リハビリみたいなものですから、気にしないで下さい」
 入院していた頃からずっと、彼女も俺も妻の話には触れない。それは暗黙の了解となっている。妻の話になれば、必ず暗い影を落とす。それは彼女も俺も、そして妻も望んではいないだろう。
 芽生の作った夕食を二人で食べた。クリームシチューにサラダとコンソメスープの夕食だった。俺には若干少なかったが、声には出さなかった。俺と彼女の間にはまだ家族になりきれていない遠慮がある。どうしたらその壁を壊せるのか。俺にはわからない。それはきっと彼女も感じているだろう。
「片付けは俺がやっとくから、先に風呂入ったら?」
「・・・はい」
芽生が少し堅い表情を見せた。俺が台所で洗い物を始めると、彼女は着替えを手に脱衣所へ入っていく。妻が亡くなって初めての二人きりの夜だ。意識はしないように俺も努めていたが、彼女は思春期の女の子だ。気にするなという方が不自然なのかもしれない。
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