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S級有害図書
第8章 「篠塚美咲の場合」
 俺の名は土佐渡。坂本龍馬のいた土佐藩の土佐に、渡る世間は鬼ばかりの「渡」と書いて「わたる」と読む。俺の性癖を知る奴は俺の事を「どS」と言うが、名前とは関係ない。組長の女を寝取って半殺しの上、破門されたはぐれ者だが、今は裏の繋がりを生かして探偵稼業を営んでいる。言ってみれば罪滅ぼしだ。ヤクザ絡みの案件は多く、そこそこ食っていけている。
 そんな俺に珍しい依頼が舞い込んだ。行方不明者の捜索だ。篠塚美咲という女子高校生だ。美咲の両親は警察に捜索願いを出したが、目撃者がいない上、家出歴もあったため、調査は早々に打ち切られてしまったらしい。それで俺の所に出番が回ってきた。

「とりあえずは、姿を消した古着屋へ行ってみるか」

 薄暗い店内に入るなり、胡散臭さをプンプンと感じる。こいつは何かあるなと思い、試着室を調べてみる。

「・・・警察の目は節穴以下だな」

 俺は試着室の壁を蹴ると、視界が開けて店の裏通りに通じる。どうやら美咲は着替え中にここから拉致されたんだろう。俺は店主の爺さんを締め上げる。ジジイだろうと容赦はしない。それが俺のやり方だ。天井から逆さに吊ってやったら、十分程であっけなく吐いた。やり過ぎ?そんなことはない。ジジイが語ったのは、一部の米兵による人身売買組織の存在だった。監禁部屋の所在を突き止めて踏み込むが、残されていたのは男の精液に塗れた無残な美咲の下着だけだった。

 基地から飛び立つ大型の輸送機。小さな小窓から助けを呼ぶ裸の少女が見える。大粒の涙を流しながら、ガラスに小さな乳首を密着させている。機内の小部屋で全裸の米兵たちに犯されている美咲。背後から激しく膣を突き上げられながら、窓外へ必死に助けを求める美咲の叫びを輸送機のエンジン音がかき消していく。
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