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生意気少女に制裁を
第2章 秘密の命令
結局根元が帰ってから、一人で教室の床を掃除して家に帰った。莉央の両親は家にいる時間が少なく、莉央は家の中で一人ずっと考え込んでいたのだった。しばらくして家に帰ってきた父親を見ても「パパが写真なんて撮られなければ」と歯を食いしばっていた。実際、莉央は自分の両親の仲が冷めきっているのも薄々感じていた。それでも莉央だけには両親二人とも優しかったし、何より両親共に世間体を気にしていたから仲のいい振りだけは家でも欠かさなかった。食卓での会話を聞き流しながら、莉央は今日のことを両親に言いつけてしまおうかと何度も思った。


「莉央ちゃん、ご飯進んでないみたいだけど美味しくなかった?」


莉央の母親は心配そうに莉央の顔を覗き込んだ。莉央はつい甘えたくなってしまったが、今日撮られた動画や写真をばら撒かれては一溜りもない。


「ううん。ママの料理、おいしいよ。けど今日はちょっと食欲がないの」

「どうしたんだ莉央、学校でなにかあったのか?」


父親の言葉に莉央はイラついてしまったが、平然を装って笑顔を作って見せた。


「最近ちょっとダイエットしてるの!だからパパもママも気にしないで」


心配する両親を他所に、莉央は席を立って自室に篭った。
莉央はただひたすらにどうしたら根元にやり返せるかだけを考えていた。どうしてもやられっぱなしでは気がすまなかったのだ。自分の今までの行いなど、全く反省する気はなかった。
その晩、莉央は中々眠りにつくことが出来なかった。

朝目が冷めて、全て夢であったら良かったのにと思ったけれど、無情にも朝日は昇り、遂にまた学校へ行かなければならなくなった。

根元にはノーパンで学校に来いと言われたけれど、莉央は中々そうする勇気が出なかった。髪をセットして軽くメイクをし、制服を着てからしばらく部屋の中を歩き回った。あと30分以内には家を出なければ遅刻してしまう。
莉央は悩んでいたが、そこでふと学校を休んでしまえばいいのでは無いかと思い立った。体調不良と学校に連絡すれば根元だって何もしてこないはず。そう思って母親に声をかけに行こうとすると、逆にリビングにいる母親から声をかけられた。


「莉央ちゃん!お友達が迎えに来てるわよ」

「え…?今まで一度もそんなこと無かったのに」

「根元さんって子、今日から一緒に登校する約束してたって言ってるけど」

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