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泥に咲く蓮
第3章 色づき、膨らみ

食事の後、亮二の淹れてくれたコーヒーの味ははっきりと覚えていない。
というか、その後の記憶がところどころ抜けている気がする。
亮二はコーヒーを飲んでしばらくしてから、アトリエに戻って行った。
玄関まで見送って、急に肩の力が抜けた。
(なんてアップダウンが激しい日なんだろう)
夢見心地で風呂からあがり、太ももまである裾の長いTシャツをはおる。
ナイトブラも着けず、下着はショーツだけだ。
リビングに戻ると、テーブルの灰皿もカップも片付けられていた。
電気を落とし、自分の部屋に戻る。
ベッドに倒れこむと、腕や背中に触れられた感覚が鮮明にフラッシュバックした。
いつもより激しい切なさに襲われて、思わず身をよじる。
(リョウくんに抱き締められたの、夢じゃないよね。
まだ信じられない)
亮二が着ていた白いカーディガンの肩のライン、整髪料と柔軟剤の微かな香りとうっすら煙草に混じった、少し甘いような亮二の匂い。
(おかあさんの匂いとは全然違ってた、
男の人の匂いってあんなに違うんだ)
梨花の後頭部を優しく包んだ大きな手のひら、耳元の優しい声。
声は体が重なった部分を伝って響き、溶けてしまうかと思った。
触れられた部分が熱をもち、自分の肌が忘れてくれそうにない。
初めて男性に抱きすくめられたのだ、しかも亮二の腕に…
(わたしも、リョウくんを抱きしめられていたらよかったのになあ)
あの時、驚きのあまり、咄嗟に体が動かなかった。
抱き返せていたら、きっともっと…
(また触れたいな…)
触れたいし、触れてほしい。
もう、うまく息ができない。
苦しいほどに欲情する。
「…」
ショーツはきっともう、すでにグッショリ滲んでいるだろう。
いつものように秘部に右手を伸ばした。
「…んっ…」
ショーツに手を入れるとそこは触れただけで熱く、予想通りトロトロと潤んでいた。
だが、今日は微妙に感覚が違う。
クリトリスを撫でていても、もっともっと、と疼きが止まらない。
(足りない…もっとほしい…)
ショーツを取り、ベッドの下に落とす。
いつもより広めに脚を開き、中指を陰核から下へと滑らせた。
分泌液と熱でそこはもう溶けそうなほどになっている。
梨花の細い指先が、中へゆっくりと飲み込まれるように沈む。
「あ…っ」
というか、その後の記憶がところどころ抜けている気がする。
亮二はコーヒーを飲んでしばらくしてから、アトリエに戻って行った。
玄関まで見送って、急に肩の力が抜けた。
(なんてアップダウンが激しい日なんだろう)
夢見心地で風呂からあがり、太ももまである裾の長いTシャツをはおる。
ナイトブラも着けず、下着はショーツだけだ。
リビングに戻ると、テーブルの灰皿もカップも片付けられていた。
電気を落とし、自分の部屋に戻る。
ベッドに倒れこむと、腕や背中に触れられた感覚が鮮明にフラッシュバックした。
いつもより激しい切なさに襲われて、思わず身をよじる。
(リョウくんに抱き締められたの、夢じゃないよね。
まだ信じられない)
亮二が着ていた白いカーディガンの肩のライン、整髪料と柔軟剤の微かな香りとうっすら煙草に混じった、少し甘いような亮二の匂い。
(おかあさんの匂いとは全然違ってた、
男の人の匂いってあんなに違うんだ)
梨花の後頭部を優しく包んだ大きな手のひら、耳元の優しい声。
声は体が重なった部分を伝って響き、溶けてしまうかと思った。
触れられた部分が熱をもち、自分の肌が忘れてくれそうにない。
初めて男性に抱きすくめられたのだ、しかも亮二の腕に…
(わたしも、リョウくんを抱きしめられていたらよかったのになあ)
あの時、驚きのあまり、咄嗟に体が動かなかった。
抱き返せていたら、きっともっと…
(また触れたいな…)
触れたいし、触れてほしい。
もう、うまく息ができない。
苦しいほどに欲情する。
「…」
ショーツはきっともう、すでにグッショリ滲んでいるだろう。
いつものように秘部に右手を伸ばした。
「…んっ…」
ショーツに手を入れるとそこは触れただけで熱く、予想通りトロトロと潤んでいた。
だが、今日は微妙に感覚が違う。
クリトリスを撫でていても、もっともっと、と疼きが止まらない。
(足りない…もっとほしい…)
ショーツを取り、ベッドの下に落とす。
いつもより広めに脚を開き、中指を陰核から下へと滑らせた。
分泌液と熱でそこはもう溶けそうなほどになっている。
梨花の細い指先が、中へゆっくりと飲み込まれるように沈む。
「あ…っ」

