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泥に咲く蓮
第3章 色づき、膨らみ

不意に呼ばれて梨花は喉が詰まりそうになった。
振り返ると、シバがフェンスを乗り越えてくる。
「終わったのに帰らなかったんだな」
「…」
「なんだよ、無視すんなよー」
シバが梨花のそばにしゃがみこんだ。
「サンドイッチ、好きなのか?
あんたいつもサンドイッチだよな。
ひとつちょうだい」
「…どうぞ」
「やった、サンキュー」
梨花のランチボックスからサンドイッチを取り出して、シバが隣に座った。
「…あなたに言いたい事が山ほどあるんだけど、もうどこから話していいかわからない」
「おっ、何?」
楽しげなシバの表情に、呆れて力が抜ける。
「あなた、一体どういうつもりなの?」
「どういうつもりって、三崎と仲良くしたいだけだよ」
サンドイッチをパクっと食べて、しれっと答える。
「うまいなこれ」
「わたし、男友達はいらないって言ったはずだけど」
「わかってる。友達は保留」
指に付いたマヨネーズを舐めながら、シバが梨花を見つめた。
「あんたの事、好きなんだ」
「…」
「本当に全然気づいてくれないんだよな」
サンドイッチを食べ終わった手をパンパン、と払って、シバは後ろ手で長い脚を投げ出す。
「この学校入った時からずっとみてたよ」
「…」
「オレ、こんな感じだから…。
外国人ぽいからかな、
ちっこい時から中学あがるくらいまで、よくハブられてたんだよね」
ニコニコといつもの笑顔で話すシバに、梨花は無言で見つめた。
「でも何でハブられてたかその時はわかんなくてさ。
中学二年過ぎたくらいかな、急に背が伸びて今くらいになったんだよね」
「…」
「そしたらさ、スゲーモテだしたの」
「…そうなんだ」
「今まで同じ理由で避けられてたのに、同じ理由で今度はモテるんだって、意味がわかんねぇよな」
「それほどシバくんが魅力的ってことでしょ」
梨花は小さなペットボトルのレモンティーを取り出し、一口飲んだ。
「三崎も同じだよ」
「…?」
「言っただろ。なんか違うんだ、一人だけ」
「…」
「あんた、今はハブられてるかもしれない。
でもここを卒業してみろ、たぶん世界観変わるぞ」
「何であなたにそんな事わかるのよ」
「わかるよ」
シバが梨花の首元にふと顔を近づけた。
「三崎、香水つけてる?」
「…つけた事ない」
振り返ると、シバがフェンスを乗り越えてくる。
「終わったのに帰らなかったんだな」
「…」
「なんだよ、無視すんなよー」
シバが梨花のそばにしゃがみこんだ。
「サンドイッチ、好きなのか?
あんたいつもサンドイッチだよな。
ひとつちょうだい」
「…どうぞ」
「やった、サンキュー」
梨花のランチボックスからサンドイッチを取り出して、シバが隣に座った。
「…あなたに言いたい事が山ほどあるんだけど、もうどこから話していいかわからない」
「おっ、何?」
楽しげなシバの表情に、呆れて力が抜ける。
「あなた、一体どういうつもりなの?」
「どういうつもりって、三崎と仲良くしたいだけだよ」
サンドイッチをパクっと食べて、しれっと答える。
「うまいなこれ」
「わたし、男友達はいらないって言ったはずだけど」
「わかってる。友達は保留」
指に付いたマヨネーズを舐めながら、シバが梨花を見つめた。
「あんたの事、好きなんだ」
「…」
「本当に全然気づいてくれないんだよな」
サンドイッチを食べ終わった手をパンパン、と払って、シバは後ろ手で長い脚を投げ出す。
「この学校入った時からずっとみてたよ」
「…」
「オレ、こんな感じだから…。
外国人ぽいからかな、
ちっこい時から中学あがるくらいまで、よくハブられてたんだよね」
ニコニコといつもの笑顔で話すシバに、梨花は無言で見つめた。
「でも何でハブられてたかその時はわかんなくてさ。
中学二年過ぎたくらいかな、急に背が伸びて今くらいになったんだよね」
「…」
「そしたらさ、スゲーモテだしたの」
「…そうなんだ」
「今まで同じ理由で避けられてたのに、同じ理由で今度はモテるんだって、意味がわかんねぇよな」
「それほどシバくんが魅力的ってことでしょ」
梨花は小さなペットボトルのレモンティーを取り出し、一口飲んだ。
「三崎も同じだよ」
「…?」
「言っただろ。なんか違うんだ、一人だけ」
「…」
「あんた、今はハブられてるかもしれない。
でもここを卒業してみろ、たぶん世界観変わるぞ」
「何であなたにそんな事わかるのよ」
「わかるよ」
シバが梨花の首元にふと顔を近づけた。
「三崎、香水つけてる?」
「…つけた事ない」

