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純愛不倫
第1章 【第一章】

終電1本前でも、関係なく足が浮くような込み具合だった。
1駅でおりるという斎田さんに合わせて、
ドア際に2人で押し込められていたが、
よくある壁に手をつく形になり、
私を人込みから守ってくれていた。
身長差は15cm。168cmのわたしにとって、
すっぽり包み込まれる経験は貴重で、
彼への誤反応に拍車をかけた。
カーブの度に人がこちらに傾き、
ほとんど抱きしめられているのと
変わらない状態が長く続いた。
頼りになる胸板に顔をうずめ、
絶対に上を見上げてはならない。と自分に強く誓った。
亜美(絶対顔を上げちゃダメだ。この状態で見上げてしまったら、きっと顔が近すぎて心臓が止まる。)
停車のアナウンスがなり、強めのブレーキがかかり、
慣性の法則で嫌でも転びそうになる。

