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純愛不倫
第3章 【第三章】



斎田「ここからはちょっと遠いんだけど、大丈夫?中央線の駅は近いよ。」

亜美「そうなんですね。大丈夫です。電車乗ります?」

斎田「いや、タクシー使おう。混んでなければ5分くらいかな。」



そういって、斎田さんは道路に手を延ばした。



当たり前のように私をエスコートし、

横に座ると、運転手さんに行き先を告げた。



狙ってやっているのだろうが、それでもいい。

そういう扱いをされるのがいい。

日常満たされない、私のオンナの部分が顔を出す。



誰かに見られていないかな?とか、

一瞬気にはしたが、帰る方向が一緒だから、

なんとでもなるか、と開き直った。

明日の内見のことは、頭からすっかり抜け落ちていた。



斎田「亜美ちゃんは、お酒なんでも飲める?」



タクシーが進み始めて少したった頃、

斎田さんが口を開いた。



斎田「これから行くところ、美味いし、空いてていいんだけど、ビールと日本酒しか置いてないんだ。日本酒のめる?」

亜美「私なんでも飲めますよ。可愛げないんです。」

斎田「そのほうがいい、よかった。見た目が可愛いから、可愛げなくてちょうどいいよ。」

亜美「褒めるの下手ですよ?斎田さん。」

斎田「すごく可愛いってことだよ。」



見つめあって、2人で笑った。

この前とは確実に違う雰囲気だった。

お互いに分かっていた。

お互いに気があるって。


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