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新・性生活
第23章 桜と孝之の性行為、壊れる舞子
涙で自分の顔を汚して泣いてた。額が床についたまま一思いに泣いて気力を取り戻す。顔をあげると元旦那と桜さんは目の前で待ってくれていた。桜さんは白い濡れた温かいタオルを持って待っていた。

「まいこさん、これ」

その声が優しくて両手で渡してくれる桜さんの振る舞いに嫉妬して、受け取りたくない。負けた女に同情などされたくない。そう思ったけど私は受け入れてその手に手を伸ばした。

「さくらさん、ありがとう。私・・こんな・・」

普通ではない自分の行動に言葉をつまらせた。

「まいこ」

元旦那の私を呼ぶ声で全身に鳥肌が走った。武者震いしたように感じて体を小さくしてこわばった。また元旦那が私の名前を呼びながら肩に手をかけて優しくしようとする。

やめて。優しくしないで。

また聞きなれない物音を立てて壁に背中を押し付けた。元旦那に拒否反応を起こして後ずさった。怖いもの見るような目で充血した目で元旦那に怯えていた。

離れてよ、わたしから離れてよ。お願い、優しくしないで。私の体と心を引っ張らないで。あなたから優しくされてはいけない。

「まいこ、おまえ」

ダメだよ。ダメ。呼ばないで。私を呼ばないで。

首を横に降ってもっと遠く離れたい。声が聞こえないところまで離れたい。

「まいこ?」

呼ばないで、私の名前を呼ばないでよ!!私みたいな女の名前を呼ばないで、離れて。消させてよ。あなたの前から離れないと。だからその声で私の名前を呼ばないで。

「呼ばない、あっはっはっ」

大きく息をしようとしたら呼吸がうまくできなくなった。苦しい、苦しいよ。


まいこ、まいこさん、大丈夫だよ、大丈夫。側に居るから、ちゃんと愛してるよ、まいこ。私の気持ちを受け止めてくれてありがとう、まいこさん。


私、いていいの?存在してても大丈夫?消えなくていいの?そう思うと体の痙攣が収まり呼吸が楽になってきた。犬のように短い息を吐いていたのが深く息をできるようになった。

目の前で二人は裸のまま背中を擦ってくれていた。
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