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新・性生活
第9章 舞子の絶望。
「いってきます」

初めて全米オープンで日本人選手が優勝した。アナウンサーも解説者も号泣して偉業を成し遂げた選手とキャディをたたえていた。結果を見れなかった娘にメッセージを送った。


一人でお昼を食べながらハプコを開くと翼からメッセージが入っていた。

「今週の木曜日に会えますか?弁護士さんに紹介したい人がいるのでランチでもどうですか?」

弁護士さんは無理やり時間をあける。やる気満々。

翼とは絶対に恋愛にはならない。ましてや離婚後の相手にとは思えない。でも気になっている。本当にこのままの関係でいられる?翼は本気で追いかけてくれる気がする。私はいいけど翼は私の燕になってどう思うの。童貞なのに初めての相手が私なんてかわいそう・・。


今、考えても仕方がない。そう思いながら夕食の買い物を済ませに車に乗り込んだ。

なんとなく思ってしまった。

昨日の二人の熱気がほんのわずかに残っていた。

なんだろう、この怪しい感じは。お酒のキャップが落ちていた。それは見覚えのある日本酒のキャップだった。

昨夜、残された日本酒のキャップを拾ったのは舞子だった。


髪の毛と黒のシートカバーに付いた白いシミの跡から思った。おかしいって、掃除はしたばかりで昨日、ゴルフに行くのに使った。

ホームパーティーには娘の同級生のお友達の家は近いので歩いて向かった。

キャップと女の髪の毛と白いシミ。
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