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第21章 【世界はそれを暴君と呼ぶんだぜ】

果たして、場所はダイニングに移された。テーブルを囲み麗さまは上座に、流星さまとわたしは向かい合ってそれぞれ腰を下ろした。
とにかく落ち着いて、と麗さまがくれたペットボトルの紅茶を口にしながら鼻を啜る。

「まず流星、お前何で未結避けてたの」
「は?呼び出した理由、それか?!未結」
「だって…わたしが何かしたなら…仰って欲しくて…」

嗚咽混じりの訴えに、流星さまは呆れに満ちた溜息をついた後…観念した様子で話し始めた。

「あのさ、俺、中学社会教員免許持ってんのね。大学んときは中学校に教育実習も行ったの」

教育実……え?!?
全く斜め上の発言に目を丸くする。
さらりと言われたけど…流星さまが…先生?!

「な、何で隠してたんですか!?」
「言う必要ねーから。免許持ってるだけだし」

面倒くさそうなその言葉に、想像してみる。
片手に教科書、片手にチョークを持って授業をする『有栖川先生』の姿。もしわたしが生徒なら…駄目だ、集中できない。見惚れちゃう…

「だーかーら、今のおまえ見てるとそん時のこと思い出すのよ。部活動にも参加したから尚更。ハッキリ言って、萎える」

あらぬ想像(?)はそんな言葉で打ち砕かれ、現実に引き戻された。

彼曰く、中身はわたし。だから欲情はする。しかしいかんせん着ているものが悪い。悪すぎる。
中学生、つまり子供相手に欲情している気になる。その虚しさに耐えられないそうだ…。…ん?!

「って、それはわたしが中学生に見えるってことですか?!」
「まーそうなるな?こんな女子いたもん」
「ひどい!!」
「…ひどいのは未結だからね」

麗さまが横から言い放った。
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