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BeLoved.
第23章 【これからのはなし】
いきなり突き付けられた、彼の好きなところ。
わたしの料理をきれいに食べてくれるところ。
良いものは良い。と言葉にしてくれるところ。
いつでもわたしのことを想ってくれるところ。
「今はもっと好きだけど」
「……」
今のわたしにはそれは何よりも鋭利だった。
昨夜してしまったこと。自分の思慮の浅さ。
それらを否が応にでも痛感させられたから。
彼の瞳をとても見ていられず、下を向いた。
「…昨夜は…ごめんなさい」
「うん。ちょっと傷ついた」
やっぱり。
「でも、仕方ないよね」
未結は知らなかったんだし、理由はどうあれ自分もそれだけのことをしてきたから。と彼は続けた。昨夜のような殺気も敵意もない静かな口調で、言葉を選んでくれながら。
「…それでも未結と居たいんだけど」
「……」
流星さまの言葉を思い出す。
『未結は麗にとって特別』『麗は力で言うこと聞かせてきた。でも未結には絶対にしない』…人としてそれが当たり前と言ってしまえばそれまでなんだけど…。とにかく麗さまは今までの自分から変わろうとしてくれている。
…だったらわたしも応えなくちゃ。至らない点ばかりのわたしだけど…彼が好きで、彼といたいんだから。
答えなんか決まっていた。
「…よかった」
それを告げたときの彼が見せた
心の底から安堵したような表情。
こんな麗さまは初めて見た。
「…怖かったんだからね?言うの」
「…れ…さま…」
緊張していたのはわたしだけじゃなかったんだ…。