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BeLoved.
第24章 【彼が一番食べたかったもの】
「…奥が好きなんだよね、未結は」
「え…?──!ひああっ!!」
両膝を曲げられ、まるで寝転んだまま体育座りをしたような体勢にさせられた。彼はその上に覆い被さってくる。
「やあぁっ!だめぇ…っ!」
それは彼をわたしの奥の奥まで導くもの。わたしは彼の全てを受け入れたのだ。
「や…らぁ…っ、おく…、奥ぅ…っ」
必然的に、指よりもっと大きくて強烈で…気持ちよくて、大好きなそれは、奥の疼きを突き上げてくれた。何度も何度も。…気持ちいい。頭の芯が溶けて真っ白になっていくようだった。
「れ…さま、れぃ…さまぁ…っ」
抗う術も理由もない。快楽に堕ちたわたしは、うわ言の様にご主人様の名前を呼び続けた。
もっとたくさんして欲しくて。
もっともっと、愛されたくて。
「…未結ちゃん、"麗"でいいよ」
「…!でも…」
「…今の未結は俺だけのものだし…俺も、未結だけのものなんだから」
「──!」
──彼はわたしのもの──
そんなこと考えたこともなかった。
「呼んで?ほら。麗、って」
「っ…」
「俺も未結のものになりたい」
「…ンッ…」
唇が重ねられた。彼の願望を叶えることを促すように舌が絡み付く。同時に彼は緩急をつけてわたしの中を行き来していく。飲み込みきれない唾液をだらしなく滴らせながら、ひたすら喘ぎ続けた。
「ふあっ…、ん、あっ、れぃ…っ、麗ぃ…っ」
「未結、かわいい…噛んでいい?」
「あんっ!」
取られた手の指先に彼は甘く歯を立てる。それすら快感で…速さを増していく動きと、更に広がっていく『その感覚』。わたしは不可逆なほど堕ちて溺れていった。
大好きな彼に心も体も貪られていく。
大好きな彼の心も体もわたしのもの。
堪らない。体の潤みが治まらない。
もう、麗のことしか考えられない。
改めて認識させられる、身も心も征服されている現実。
肌と肌が打ち合う音、互いの荒い息遣い。捕えられ逃げられない状態で与えられ続ける快感。全てに酔わされる。
「未結…大好きだよ」
そしてそれは彼…麗も同じ。
彼もわたしに囚われている。
麗の端正な顔が快楽に歪んでいる。
それを間近で見られるのは只一人。
…わたしだけ。わたしだけなの…
この上ない満足感と幸福感に満たされ
わたしは目を閉じたのだった。