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BeLoved.
第26章 【所詮は僕らオスなんです】
「、ん…ッ」
絞り出すような声と同時に放たれた、真っ白な欲望。遮るもののないそれは、勢いのままわたしを目掛け飛び散った。乱されたメイド服はもちろん、剥き出された胸元、首筋、果ては頬の辺りまでを穢しながら。
「ふあ…っ、…あ……りゅぅ…」
熱が染み込んでいく。彼の欲望の全てを肌で受け止めたのは初めてだった。…こんなに熱いものだったんだ…。
「…未結、最高」
自分自身が放ったものにまみれ、半ば放心状態のわたしを流星さまが見下ろす。わたしが彼で満たされ…穢されたことにとても満足げな表情。そして…『おまえは俺のもの』と物語る、三白眼の鋭い眼差し。
わたしはこの時の彼の瞳を忘れない。ずっと。
そして内側から止めどなく溢れる、このゾクゾクとした…名前のわからない感情のことも。
───────
「未結おまえなー。俺が料理まで出来たら、マジで俺PerfectHumanなっちゃうじゃん」
「……」
あれから、数時間。
わたしたちの姿は近所の牛丼屋さんにあった。
とてつもなく綺麗な発音を交え相変わらずよく分からないことを言う彼と向かい合い、テーブル席につく。その全身はだるさに包まれていた(決してこの会話のせいじゃない)。
あの後。共にシャワーを浴びさっぱりしたのは良いのだけれど。彼の激しさを受けとめ続けたわたしは体力を使い果たし、情けないかなとても夕食の支度ができなくなってしまったのだ。
それを見た、軽快爽快痛快そのものの彼。家政婦としての勤めを果たせないわたしを責めることなく「じゃ、外行くか」と連れ出してくれたのだ(彼が作る、なんて選択肢は存在しない)。
「何がいい?」の問いに恐縮しきりで「何でも」と返したわたし。助手席で揺られながら、どんな高級店かと緊張していたら到着したのはここ。正直驚いてしまった。
「コースも懐石も飽きたし俺こっちのが好き」
わたしの手を引き、そう屈託なく笑う彼を見て思い出す。『住んでいる世界が違う』ことを。