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第27章 【カレハミエルヒト。】

行きにも乗った高速道路は、渋滞に巻き込まれることなく通過出来た。下道に降りた頃には辺りはすっかり暗くなり、星もちらほら輝き始めている。

「そういえば…流星さまの車なのに、麗さまが運転して大丈夫なんですか…?」
「大丈夫だよ。心配しないで」

そんな他愛ない会話を交わしていたら。後ろから猛スピードで軽自動車が迫って来るのが見えた。
かと思ったらその車は、わたし達を追い越すとかなり強引に前に割り込んだ。麗さまの舌打ちが聞こえる。

「…危ねぇな、正気かよ」

更に前方には車列。さすがにその車はそれ以上追い越すことはなく、速度を落とした。多少の車間距離はあったものの、後部座席には跳び跳ねて遊ぶ小さい子供の姿がはっきり見てとれた。

「危なすぎですよ!あんな小さな子も乗ってるのに!」

あまりの無謀さと無責任さに、怒りが湧いて。口調も無意識にきつくなってしまう。

「未結ちゃん」
「、あ…」

窘めるような麗さまの声。…うるさかった?口が悪すぎた?どっちにしろ気に障ったんだ。叱られる。そう思い肩をすくめた。…しかし掛けられたのは、予想外の言葉だったのだ。

「子供なんか、いた?」
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