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BeLoved.
第27章 【カレハミエルヒト。】
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「未結は俺が"視える"からって、嫌う?」
「、いいえっ!」
思いに耽っていた最中突然そう問われた。考えるより先に返事が口から飛び出し、首も左右に動く。そんなことない!…違う、そんなことできない。絶対に。
「だろ?だからいーのにな、今まで言わなかったのはマジで言う意味なかったからだけなんだし。──だってさ」
「あ…?」
伸びてきた手が顎に添えられる。
「俺は俺だ」
「っ……」
言い終わった直後に彼の方を向かされ、口づけを受けた。…今度は、唇に。
「…、ん…」
重なった唇はそのままに、顎から離れた手は首筋、鎖骨…と撫でるように滑り降り、辿り着いた胸の膨らみを包み込んだ。優しい力でふわふわと揉まれる。
「、あっ……ん」
身をよじった次の瞬間…後部座席のドアが凄まじい勢いで開かれた。
「何やってんだテメーは!」
間髪入れずに響く怒声と、差し込まれた長い御御足からの力強い蹴り。
それは流星さまの右の腿を直撃した。反動で顔と手が離れる。
「丸見えなんだよ!」
直後に叩き付けられるように閉められたドア。振動で車全体が震えた。…蹴り主(?)の罵声に我に帰り、顔を前に向ける。わたしの正面には、雑誌売り場。そこにいた若い男性客と、ガラス越しに思いっ切り目が合った。
…見られていた…
穴があったら入りたい……。赤面し俯いた。
「ひっでーなー、蹴ることねーだろヘタ麗」
「テメーなに俺の未結晒し者にしてんだよ」
「毎度毎度"俺の"て付けて恥ずかしくねーの?」
「うるせぇなテメーはもう喋るな!ほら!!」
運転席に上体だけ乗り入れた麗さまは、流星さまと言い合いながらシートの上に置いた買い物袋の中をガサガサと乱暴に探った。
やがて見つけ出した煙草の黒い箱を手にした彼は『くれてやる』とばかりに、至近距離にも関わらずこれまた物凄い勢いで流星さまに投げつけた。…瞬間、わたしの前髪はその風圧で乱れた。どれだけの腕力なの…。
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