この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
BeLoved.
第30章 【あなたがわたしをこわしたいなら】
「…どこに?」
彼…麗さまは、一瞬だけ交わした視線を足に戻し爪先を啄む。それだけでも凄く気持ちいい。だけど…違う、そうじゃないの…気持ちは逸るのに羞恥心が邪魔をして言葉が出てこない。
彼だって、わかってるはずなのに…
「わからないよ」
「!」
もどかしさが苛立ちに変わりかけた気持ちを見抜き、切り裂くような静かな声。体が跳ねた。
「"未結"のどこに触ればいいの?」
「…あっ…」
ふくらはぎ。柔らかいそこに彼は歯を立てた。弱い力だから痛みはない。
けれど…まるで『言え』と命じているように錯覚してしまう。わたし─"未結"─が触れて欲しいのはどこなのか、と。
「……未結、の…、ここ……」
おずおずと伸ばした右手の行き先はひとつ。
脚と脚の間のあたたかな部分。
「あ…」
指先から伝わる濡れた感触。予想以上だった。
わたしから溢れる蜜はとめどなく、『ここ』をこんなにだらしなくさせていたんだ…
「!っあ」
「ほら。触ったよ」
確かに彼は触れてくれた。
でもそれは指先でなぞっただけ。
「だ…、やだあ…っ、いやあ…っ」
下手に触れられたせいで余計もどかしくなって。耐えきれなくて。頭を左右に振り涙が滲む情けない声で叫んだ。
どうしてこんなことするの…?
どうして、してくれないの…?
そこまで発してしまいそうな口元を両手で押さえ、涙で潤む瞳で彼を見下ろした。
「どうしてほしいの」
「……っ!」
それでも彼は動じない。
ああ…もう、だめ。抑えきれない。
──我慢できない。
「……なめ…て……」
思い知った。わたしは本当に快楽に…
…ううん、違う。
『彼』に堕ちてしまったんだって。