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BeLoved.
第3章 【契約成立】
「おまえ、あれから男できた?」
「はい!?」
何の脈絡もない問いに、裏返った声をあげてしまった。な、何でいきなりそうなるんデスカ?!
いつでも物怖じせずハッキリしているのは、彼のいいところではあるんだけど…。
もちろん、わたしにそんな人はいない。
首を左右にブンブンと振った。
「…流星うるせえ。テメーちょっと黙れ」
「話は早えー方がいーだろ。俺5時から会議だし」
溜め息混じりの麗さまの声。
それに反論する流星さまの声。
ふたりはわたしを尻目に言い争いを始めてしまった。
だが今のわたしは思考回路がまともじゃない。止めることもできずただただ眺めているしかなかった。
「まー、単刀直入に言うわ。未結」
永遠に続くかと思われたそれは、案外あっさりと終息した。流星さまがわたしの方を向いたのだ。
「俺は家政婦としてだけじゃなく、女としてもおまえが欲しいのよ」
口調は砕けていたかもしれない。だが彼の目は本気だった。背中にぞくりとしたものが走る。
「…未結ね、俺らも驚いたんだよ。お前が恋敵かよって。だから考えた」
横から入り込む麗さまの静かな声。
むしろそれは緊張を強くしてくれた。心臓の鼓動が、耳の奥でドクン、ドクンとうるさいくらい鳴り響く。
「もしも未結がまだ、俺のことも、流星のことも、好きだって思ってくれてるなら」
麗さまの目もまっすぐわたしを見据えている。
彼らから目が逸らせない。違う。
逸らすことは許されない。
「"俺ら"のそばに居てもらおうってね」