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BeLoved.
第36章 【暴走】
『彼』に抱かれている。あるいは
抱かれた直後のわたしと遭遇する。
こんな生活をしている以上、彼らには不可避な状況。
でもそれは覚悟の上だと言われた。実際何度か起こっているし、何を今更…となるのかもしれない。
しかし、『今』の彼の気に障った。
どんなに理不尽でも、それが全てなのだ。
『ごめんなさい』『そんなのあんまりです』…きっとどちらも効かない。怖い。言葉がでない。
まるで蛇に睨まれた蛙のような心境で、ただただ少しずつ後ずさった。…無駄なのに。
「、やっ……、ん」
案の定すぐに捕まり引き寄せられ、唇を塞がれた。…彼の唇で。
「!だっ…だめですっ…!…まだっ…、麗さまの…っ」
容易に想像が付くこの先の展開。何とか離れて投げ掛けた制止の言葉を…彼はその鋭い漆黒の瞳で見据えながら返し討った。
彼のすべてが込められた、あの言葉で。
「関係ねーな。俺が全てだ」