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BeLoved.
第36章 【暴走】
「あっ……」
抱き上げられ、洗面台横のスペースに鏡を背にした状態で座らされた。『彼』が直してくれた服は煩わしそうに捲りあげられ、露になった胸の突起に…彼は唇を寄せて吸い付く。
「ふぁ…っ、…んんっ…!」
痺れるような感覚が走り甘い声が漏れた。
──流星さまはいつも、言葉も行動も強引。
いつだって、基準は自分。
それが彼なのだ。分かっている。
けれど、わたしに触れるときの手や唇はいつもとても優しい。
それは彼も麗さまと同様に、わたしを大切に思ってくれているから。強引さの中にも必ずそれは存在していた。
でも今は違う。
「ぃたい…っ… 、やだ…っ、!…」
胸を包む手には力が込められ、咥内に含まれた突起には歯が立てられた。
神経が集まる敏感な箇所。鋭い痛みが走る。
苦痛を訴える声を耳にしてか、さすがに噛みつきからは解放されたけど…唇は密着させられたままだ。
ちゅ…ちゅ…と音を立てながら吸い上げられる。…それはまるで、甘えて…言い方が悪いかもしれないけど、縋り付いてくるようで。
「……」
そうだ。朝早くからこんな時間まで、お仕事。大変だったはず。
痛みが出るまで頭も気も遣って、それは疲れているはず。
嫌な事、たくさんあったはず。
その最中、わたしは麗さまの腕のなかで…。
もちろん、逆の立場の日だってある。それは流星さまだって理解しているはず。
抑えきれない何かがあったのか。
あるいは
この生活に、限界を感じたのか。
…わからない。