パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第36章 【暴走】

「──っ！き…ぃやっ！ああぁっ！」

座ったまま、大きく開かされた脚。その中心の熱い部分に…もっと熱くて、固さを持つ彼自身は、一気に入り込んだ。

わたしだけ腰かけた状態で繋がる、初めての体勢。普段以上の狭さときつさを抉じ開けながら侵入してきた彼は、お腹の奥底に、文字通り突き刺さるような衝撃を与えてくれた。

あがってしまった悲鳴にも、強張る下肢にも構わず、彼はより奥へと突き進んでいく。…彼のために。


「──かっ…、っ、は……っ…！」

溢れ出した愛液が潤滑油の役割を果たし、痛みは感じない。ただ……苦しい。想像以上の圧迫感に呼吸がうまくできず、まるで金魚のように口をぱくぱくとさせた。

「…未結、そっち行け」

彼はわたしの肩に触れ、強引に押し倒した。けれども奥行きが足りず、完全に仰向けにはなれない。背後の鏡にもたれ掛かる…まるで腹筋運動を途中で止めたような格好になった。

先程より呼吸は幾ばくか楽になったけど…今のこの体勢は、わたしと彼が繋がっているその場所、その瞬間が、否が応でも視界に入ってきてしまう。


大好きな彼がわたしを貪り
わたしはそれを受け入れる


…目が離せない。


「………っあー、やっぱ昨日と感覚違げーわ。麗が突っ込んだ証拠だ」

うぜぇ。…そう吐き捨てる声が聞こえた。
…そしてその苛立ちは、全てわたしにぶつけられる。

開かされた足は押さえつけられ、閉じることを許されない。
熱い塊は容赦なく打ち付けられ、濡れそぼったわたしの中を征服していく。

「あぁっ…、んうぅっ！…はぁ、っん…っ！」
「すげー…めちゃくちゃ締めてくる」

慣らされた体は悦び応え、彼自身をまるで味わい尽くすかのように締め付けて。

｢未結おまえやっぱ、痛いの好きなんじゃねーの？｣
｢ちが…っ、っあ、…違…ぅっ、やあぁんっ」
｢んな声出しといて説得力ねーよ。エロ未結｣

それに抗うように彼が動く度に、わたしの奥は突き上げられた。愛液は止めどなく滴り落ち、甘い声は絶え間なく漏れ続ける。…どんなに、揶揄されても。


「ぅ……りゅうせ…ぇ……っ──！」

快楽に堕ちかけたその瞬間、全身が硬直した。
今更。本当に今更ながら、思い出したのだ。


──この鏡の向こうは、麗さまのお部屋だ。